では、今後の雨の降り方について、亀田気象予報士の解説です。
今回このような大雨が降った理由ですが、梅雨時期と同じような湿った空気が強く流れ込んだことです。そして9日も強い雨雲がかかりそうですから、引き続き大雨に警戒してください。
雲の様子ですが、7日の夜から動かしますと、短時間で、急激に発達して、九州南部にかかってくるという、梅雨時期の雲の発達によく似ています。
雨雲の様子を見ても、同じ場所が長時間にわたって強い雨雲にさらされる線状降水帯が発生し、姶良市や霧島市では1時間に100ミリを超す大雨となりました。一時小康状態となっていましたが、また新たな雨雲が薩摩地方にかかり始めました。
降り始めからの雨量も、牧の原や溝辺では、500ミリを超えているところがあって、8月の1か月分の雨量の2倍の雨が、わずか2日間で降ったことになります。
この大雨は、3つの大雨の条件が重なったために降ったと考えられます。まず、①前線が九州北部に停滞したこと。そのため同じところで雨が降りました。②高気圧を回る湿った空気と、もう一つ、西からの湿った空気が前線の南でぶつかり、強い上昇流が発生して雲が発達したこと。③前線の北には寒気が入り、この温度差によって対流が強まり、さらに雨雲が発達したと考えられます。 この状況はいったん解消されていましたが、8日夜遅くから、再び強まりそうです。
今後の雨の予想ですが、再び8日夜遅くから9日の朝にかけて強い雨雲が九州南部にかかる予想です。大雨が降った霧島市や姶良市付近にもかかる予想です。
その後強い雨雲は九州北部に北上しそうですが、県本土は少しの雨でも災害の発生する恐れがありますので、危険な地域にお住まいの方々は、暗くなる前に早めの避難が必要です。