大猛暑が続くと極端な大雨になる? 「天気の補償性」で心配される再びの豪雨

晴れ続きの大猛暑と思ったら、いきなりの記録的な大雨。各地に被害をもたらしました。雨はいったん落ち着きましたが、また猛暑が戻ってきました。
この極端な天気変化を読み解くにあたって、「天気の補償性」という言葉があります。
この夏、日本に再び大雨がくるのでは?と心配しています。
大猛暑で始まった今年の夏
今月8月初めまで、日本中ほとんどの地点で晴れが10日以上続きました。35℃以上の猛暑日も続出。
とうとう8月5日には、群馬県伊勢崎市が日本最高記録41.8℃をたたき出しました。去年までの最高気温記録を0.7℃も上回る大幅な記録更新です。
上位5位までが、全て今年観測されていて、いかに今年の暑さが異常かを物語っています。
また、ほとんど雨が降らず、貯水率が0%になるダムが出るなど渇水も心配されました。
渇水を心配する中で突然の大雨
ところが一転、「山の日」を含む連休中には、熊本県で大雨特別警報が出されるなど記録的な大雨となりました。
観測史上最も多い72時間降水量を8地点で観測し、いずれも8月1か月の平年雨量の2~3倍以上の雨量です。
これにより、土砂災害や浸水害、河川の氾濫など災害が発生しました。
また戻ってくる大猛暑
そして、ようやく雨が落ち着いたと思ったら、また、大猛暑が戻ってきたのです。
再び厳しい暑さが続き、雨が少ない日々となりそうです。
「天気の補償性」とは?
ある天候が長く続くと、その反対の現象が起こりやすくなる「天気の補償性」という言葉があります。
例えば、日照りが続き、雨が降らない期間が長く続くと、その後に少雨を補うように大雨が降りやすくなります。
まさに、天気の埋め合わせですね。
そうなると、きょう13日から続く猛暑の後にもまた、いきなり災害をもたらす大雨が来るのではないかと、嫌な予感がしてなりません。
「天気の補償性」とは、気候を平準化するためのものですが、今年の夏は、あまりにも「極端な暑さ」が「極端に長く」続くため、そのあとに起こる大雨も、非常に極端になるおそれがあるのです。
RKB気象予報士 龍山康朗