「高校無償化で公立離れ」に対策、文科省が高校教育改革を主導する課を新設へ…公立校の魅力向上図る

文部科学省は、高校教育改革を主導する課を新設する方針を固めた。高校授業料無償化で公立校の地盤沈下が懸念される中、国による支援態勢の構築に本腰を入れる。2026年度予算案の概算要求にも高校改革の関連予算を計上する見通しだ。
新設課は文科省の初等中等教育局に設置する予定で、農業高や工業高などの専門高校の支援や、高校間の連携のサポートなどを行う。26年度の機構・定員要求に盛り込む方針だ。
政府・与党は、公立校の再編や教育環境の整備を進め、魅力向上を図って公立校離れを防ぎたい考えで、大学や大学院との一体改革を推進するための「高校教育改革に関するグランドデザイン(仮称)」を今年度内にとりまとめる方針だ。
少子化を踏まえ、公立校の配置や規模の適正化を進めて再編を図り、地域の中心となる拠点校の強化も進める。デジタルやAI(人工知能)など、成長分野の人材育成にも注力する。
高校教育を巡っては、自民、公明、日本維新の会の3党が2月、私立校も含む高校授業料の無償化で合意。無償化を先行的に実施した大阪府では定員割れなどの「公立校離れ」が進んでおり、対策が急務となっている。