追悼式最高齢98歳の長屋昭次さん「参列は使命」 最年少3歳の片山純矢君「戦争は駄目」

全国戦没者追悼式に最高齢の98歳で参列した長屋昭次さん=北海道網走市=は先の大戦で8歳上の兄、保さんを亡くした。
家電修理などの仕事をしながら家族を支えていた保さんが、臨時召集されたのは昭和17年。「戻ったら、進学させてあげる」。昭次さんに、そんな言葉を残していった。
保さんの出征後、昭次さんは16歳で少年飛行兵に志願した。終戦後、保さんが中国・天津の病院で戦病死したことを知った。26歳だった。
追悼式に参列することは自分が果たすべき「使命」と語った昭次さん。「平和を守るため、若い人たちにも、国防への関心を持ってもらいたい」と思いを込めた。
「戦争はやったら駄目」。参列した遺族で最年少の片山純矢君(3)=三重県いなべ市=は家族とともに、32歳で戦死した高祖父の伊藤正夫さんを思った。
特攻兵だった正夫さんは20年2月、フィリピン・コレヒドール島の沖合で米軍との交戦中、戦死した。純矢君とともに参列した曽祖母の伊藤早苗さん(85)によると、純矢君は正夫さんが戦死したことを伝えても、よく理解できない様子だったが、追悼式に誘うと、「行く」と元気に答えたという。
家族5人で臨んだ追悼式。早苗さんは、「いつかは、国を守るということを考えられるようになってほしい」と語った。(三宅陽子)