大川原化工機冤罪、警視庁と東京地検の幹部が亡くなった元顧問の遺族に謝罪へ…25日面会で調整

精密機械製造会社「大川原化工機」を巡る冤罪(えんざい)事件で、捜査を違法とされた警視庁と東京地検の幹部が、逮捕後に体調が悪化して72歳で亡くなった同社元顧問の相嶋静夫さんの遺族に謝罪することが決まった。遺族側代理人弁護士が20日、明らかにした。25日に直接謝罪する方向で調整している。
事件では、同社社長や相嶋さんら3人が2020年、兵器製造に転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴されたが、21年に起訴が取り消された。相嶋さんは勾留中にがんが見つかったが保釈が認められず、被告のまま亡くなった。
社長らが国家賠償を求めた訴訟で逮捕と起訴を違法とする判決が確定し、同庁と地検の幹部は6月、社長らに謝罪。相嶋さんの遺族は「謝罪を受け入れるのは検証で事実が説明されてからだ」と同席しなかった。
代理人弁護士によると、警視庁と最高検が今月7日に捜査を巡る検証報告書を公表し、遺族が謝罪を受け入れる意向を固めたという。