神戸女性刺殺、事件1か月前に新幹線チケットを入手…「帰省するため」と勤務先に申告

神戸市中央区のマンションで住人の会社員片山恵さん(24)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された会社員谷本将志容疑者(35)(東京都新宿区)が事件の約1か月前の7月下旬に新神戸駅行きの新幹線チケットを入手していたことが、捜査関係者への取材でわかった。片山さんについて「全く知らない人」と供述しており、兵庫県警は、神戸に来た目的や片山さんを狙った経緯を調べる。
谷本容疑者の逮捕容疑は20日午後7時22分頃、同区磯辺通のマンションのエレベーター内で、片山さんの胸などをナイフで複数回刺して殺害した疑い。
捜査関係者によると、谷本容疑者は「帰省するため」と、8月17日から21日までの休みを勤務先の東京都新宿区の運送会社に申告。7月下旬に品川―新神戸の往復新幹線チケットを入手していた。運送会社によると、谷本容疑者はチケット代として3万1380円の領収書を提出。日付は7月26日で、住んでいる社員寮から最寄りのJR高田馬場駅で発行されたことを示す記載があった。同社社長は「仕事を頑張っている社員へのお返し」として、代金と同額を渡したという。
谷本容疑者は大阪府出身で、神戸市内の建築会社に2022年まで約10年間、勤務。今年1月の冬休みにも関西に帰省すると話していたという。
捜査関係者によると、谷本容疑者は8月17日、片山さんの職場から数百メートル離れた同市中央区のホテルに1人でチェックイン。20日も宿泊する予約をしていたが、事件直後に現場の北約1・8キロにある新神戸駅から新幹線に乗って東京方面に向かったという。片山さんは20日午後6時30分頃に同区の勤務先を退勤した後、郵便局やスーパーに立ち寄り、同7時20分頃、マンションに着いた。県警は防犯カメラ映像から、谷本容疑者が同じ電車に乗るなどして約50分間にわたって後をつけていたとみている。