兵庫県尼崎市は去年8月、女性からDV被害の届け出があったにもかかわらず、加害者である男性に書類を誤って送り、女性の住所が漏えいしたと発表しました。
尼崎市によりますと、去年5月中旬、当時市内に住んでいた女性からDV被害に関する届け出があり、翌月、国民健康保険の関係書類について、送付先変更の届け出があったということです。
市は届け出にもとづき、去年7月下旬、国民健康保険に関する案内書類を女性に送付し、女性が月末に申請書類を提出。
翌月上旬、書類に不備があったため、女性に書類を返送する際、職員が誤って加害者男性宅に送ってしまったということです。
同月21日に女性から、「男性宅に書類が届いている」旨の申し出があり、情報漏えいが発覚しました。
書類には男性と別居していた女性の住所が書かれていましたが、女性が早急に引っ越しするなどし、男性と会うことはなく、被害はなかったということです。
市は「あってはならないことをした」として女性に謝罪し、女性側と協議を重ね、今年6月に示談が成立し、転居費用など約130万円を支払ったということです。
市によりますと、DV被害者に対しては、複数の職員で書類の送付先などを確認することになっていましたが、担当職員が確認を怠り、男性の住所へ郵送してしまったといいます。
市は「今回の事案を重く受け止め、マニュアルの見直しを行い、関係職員へは、個人情報の取り扱いなどの重要性を改めて周知徹底した」として、再発防止に取り組むとしています。