石破茂首相は30日、インドのモディ首相と宮城県大和町にある半導体製造装置メーカー「東京エレクトロン宮城」の工場を視察した。両首脳は29日の会談で、半導体や重要鉱物など経済安全保障面での協力強化を確認した。視察は日印の連携を国内外に示す狙いがある。
親会社の東京エレクトロンは昨年9月、インドの財閥タタ・グループ傘下のタタ・エレクトロニクスとの間で、半導体製造を巡って戦略的パートナーシップを締結した。両首脳は工場で、インドに納入予定の半導体装置を見学した。
石破氏は記者団に「インドの半導体産業の発展に協力することは日本企業にとっても輸出先の多様化につながる」と指摘。「両国が双方向で協力し、半導体サプライチェーン(供給網)の強靭(きょうじん)化、経済安保の強化を推進したい」と表明した。
両首脳は視察のため、東京駅で東北新幹線「はやぶさ」に同乗し、仙台市に向かった。両首脳は隣り合って座り、鉄道談議を交わした。途中の大宮駅では、車両内から停車中の次世代新幹線試験車両「ALFA―X」を視察。首相は記者団に「(モディ氏に)試験車両を見ていただいたことも大きな意義がある」と強調した。 [時事通信社]