軽井沢の三井別荘解体始まる 明治後期の建築 有志が保存の署名活動

旧三井財閥の三井三郎助(1850~1912年)が明治後期に長野県軽井沢町に建てた別荘の解体作業が始まった。現存する町内最古の洋館別荘で、町民有志の「軽井沢文化遺産保存会」が「貴重な建物を残そう」と訴え、保存・活用を求める署名活動を展開していた。
所有する英領バージン諸島の会社が9月下旬に敷地内で樹木の伐採を始め、10月から木造2階建て洋館の解体に着手した。同社の関係者によると、新たに別荘として木造2階建ての本館や木造平屋のゲスト棟など4棟を建てる。洋館の椅子などの備品約40点は町に寄贈する意向という。
三井三郎助別荘は1900(明治33)年ごろの建築で、実業家の広岡浅子、元首相の西園寺公望、インドの詩人タゴールらが滞在した歴史があった。
保存会の広川小夜子さんは「なくなるのは大きな損失で、残念だ」と惜しむ。同会の増淵宗一・日本女子大名誉教授は「町には他にも保存して活用すべき古い建物がある。今回を教訓に今後も取り組んでいきたい」と語った。【武田博仁】