稲に大きな被害を与えるイネカメムシの増加が懸念されている。猛暑や少雨の影響とみられ、群馬県は今年度、初めて注意報を出した。18日に開会する県議会第3回前期定例会に提出する今年度一般会計補正予算案には、対策強化の経費を盛り込む方針だ。
イネカメムシは、成虫の体長が13ミリほどで、他のカメムシより稲を好む傾向が特に強い。コメが実らなくなったりコメに黒い斑点ができたりする被害が出て、収穫量が減り品質も下がる。県内では一時期、姿を見せなくなっていたが、2023年度に再び確認された。
県が7月上旬に板倉町で行った調査では、昨年度の約15倍、6、7月の館林市での調査でも4~6倍のイネカメムシが確認された。増加を招く高温も予想されたことから、県農業技術センターは7月18日、邑楽館林地域に注意報を出した。
その後、昨年度の同時期には捕獲されていなかった地域で捕獲事例が出たため、8月7日に北毛地域を除く全域に注意報が広がった。
対策は薬剤による防除で、2回に分けて散布する。補正予算案には、更に防除が必要となった場合の経費の補助金を計上。さらに、落ち葉の下などで越冬するイネカメムシの冬場の調査範囲を、東毛地域から県全域に拡大する。
県は、農作業を請け負う事業者への農機具導入支援などと合わせて、補正予算案で4000万円を充てる見通しだ。