突如浮上した「薬物疑惑」による自宅の家宅捜索を受け、サントリーホールディングスの代表取締役会長職を9月1日に電撃辞任した新浪剛史氏(66)を巡る騒動。自宅から薬物は押収されず、 「週刊文春」の独占インタビュー で新浪氏は違法性の認識を否定。記者会見でも「潔白」を主張した。
その新浪氏の弁護人を、元東京高等検察庁検事長で現・弁護士の黒川弘務氏(68)が務めていることが「 週刊文春 」の取材で分かった。
“安倍官邸の守護神”と呼ばれた黒川氏
法曹関係者が言う。
「大物が新浪氏の“バック”についたとして県警内で取り沙汰されています。“安倍官邸の守護神”と呼ばれた黒川氏に今回の件を相談しており、逐一アドバイスを貰っているようです」
黒川氏は東大法学部卒で1983年に検事任官。2016年に法務事務次官、2019年に東京高検検事長に就任した。2020年2月、63歳で定年退官予定だったが、安倍晋三政権が事実上、黒川氏の半年間の「定年延長」を目指したとされる検察庁法改正案を閣議決定。国会が紛糾した。
“賭け麻雀”で引責辞任後は弁護士に
さらに同年5月、「週刊文春」が黒川氏と新聞記者たちによるコロナ禍中の「賭けマージャン」問題を報じた。黒川氏は同月、引責辞任。2021年には単純賭博罪で略式起訴され、東京簡裁から罰金20万円の略式命令を受けている。
現在は弁護士登録し、都内の法律事務所で特別顧問を務める黒川氏。事実関係を事務所に尋ねると、黒川氏本人からメールで次のように返答があった。
「お尋ねは弁護士業務に関わることですのでお答えできません」
最強の相手に、警察はどう向き合うのか――。9月10日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および11日(木)発売の「週刊文春」では、ニューヨークに記者を派遣し、騒動の裏側を徹底レポート。捜査状況や警察のねらい、福岡県警に逮捕された男の素性、そして男の姉で問題のサプリの「送り主」であるニューヨーク在住の女性について、詳しく報じる。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年9月18日号)