酒を飲んだ状態で神戸の元町商店街を車で暴走して事故を起こし、同乗していた妻などを死傷させた罪に問われていた男に対し、神戸地裁は10日、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
神戸市の無職・太森信男被告(88)は去年3月、酒を飲んだ状態で神戸市中央区の元町商店街を車で走行し、清掃作業車と衝突して運転手にけがをさせたほか、同乗していた妻を死亡させた罪に問われていました。
太森被告はこれまでの裁判で、「私の暴走は間違いないが、スピードについては分からないので答えられません」と、起訴内容をおおむね認めていました。
10日の判決で神戸地裁は、「運転の必要性や緊急性は認められず、血中アルコール濃度は相応に高く、運転態様は危険である」「運転者として基本的かつ重要な注意義務を怠り、走行態様は相当危険であり、過失は重大である」と指摘しました。
そのうえで、「反省の弁を述べていること、高齢であることなどを考慮すると刑の執行を猶予するのが相当である」などとして、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
太森被告の弁護人は、控訴しない方針です。