こってりラーメンにゴキブリ混入の「天下一品」、害虫対策の記録なし…保健所報告は10日後に

20店舗に立ち入り調査開始

ラーメンチェーン「天下一品」を運営する「天一食品商事」(大津市)は、フランチャイズ系列店の「新京極三条店」(京都市中京区)で8月に提供したラーメンの中に、体長約1センチのゴキブリの死骸が混入していたと公表した。同社は、経営者が同じ「河原町三条店」(同)と合わせて営業を停止させた。
運営会社によると、新京極三条店で8月24日、看板メニューの「こってりラーメン」を注文した女性の申告で混入が判明した。店舗の調理場で混入した可能性が高く、同社は女性に謝罪して返金を申し出たが、断られたという。
同店ではその後、専門業者が害虫駆除などを行い、混入から10日後の9月3日に京都市保健所に報告。ホームページ上で8日公表した。
保健所は新京極三条店に立ち入り調査を実施し、衛生状況に大きな問題はなかったが、普段実施している害虫対策の記録が残っていなかった。食品衛生法では記録を残すことが義務となっており、保健所はこの点を問題視。衛生管理の徹底などを指導するとともに、9日から京都市内の天下一品チェーン約20店舗の立ち入り調査を始めた。
同社は報告や公表の遅れについて「事実確認に時間を要した」と釈明。「ご心配とご迷惑をおかけしましたことを重ねておわび申し上げます」としている。