クマが集落に大量出没の恐れ、「Yahoo!防災速報」で来月から通知…ドングリ不作で

福井県は11日、ツキノワグマ出没対策連絡会を県庁で開いた。今年はクマが大量出没する恐れが高いとして、市町や猟友会の担当者に警戒を呼びかけた。
県によると、クマが食べるブナやミズナラ、コナラのドングリ類が不作の年は、出没が増加する傾向がある。8月の調査では、今年はブナとミズナラが不作だった。この2種が不作だった2023年9月~24年3月は、534件出没し、人身被害が2件発生した。
このため県は、今年も食べ物を求めて集落に大量に出没する恐れがあると報告。取り残した果実がクマを引き寄せたと考えられる事例があることから、誘引物の適切な管理を求めた。また、10月中には防災アプリ「Yahoo!防災速報」で出没情報の通知を始める予定という。
県のまとめでは、県内では4月から今月10日までに379件の出没を確認。7月には、坂井市で釣りをしていた男性がクマに襲われてけがをする事案があった。
クマ対策を巡っては今月、緊急性や安全面などの条件を満たせば、市町の責任で、市街地でハンターの発砲を認める「緊急銃猟」を盛り込んだ改正鳥獣保護法が施行された。県は、射撃技術向上のための研修や、市町が支払う日当の補助などに向けた関連費約257万円を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を、開会中の9月議会に提出しており、連絡会でも報告された。
県自然環境課の担当者は「人身被害防止に向け、関係機関で連携し、迅速に捕獲ができるよう体制を整える。県民には、柿や栗の早期収穫など、クマを人里に引き寄せないよう協力をお願いしたい」としている。