9月3日、TBS日曜劇場に出演中の俳優・清水尋也容疑者(26)が、東京都杉並区の自宅で大麻を含む植物片を所持したとして、交際相手の女性と共に警視庁に逮捕された。
「今年1月頃、自宅で大麻を使用しているという情報が寄せられ、本部の薬銃課が内偵を進めていた。捜査員は前日から自宅マンションに張り込み、2人が部屋にいることを確認し早朝に踏み込んだ。
大麻は引き出しなどに隠すこともなく、小袋に入った状態で堂々と机上に置かれていたというから、捜査対象になっているとは夢にも思っていなかったようだ」(捜査関係者)
“大麻合法国”アメリカで誘われて手を出し…
清水容疑者は、アメリカに語学留学していた20歳の頃、現地のホームパーティーで大麻を覚えたと供述しているという。
「帰国後も時々吸っていて、『俳優の仕事が増えて収入が安定してきた2年ほど前から使用量が多くなった』と説明しているようだ。かなりの常習性が疑われているが、入手先については口を噤んでいる」(同前)
世界では、嗜好品としての大麻使用が広がる。アメリカの20以上の州で合法とされるほか、カナダでも2018年から、ドイツでも24年から合法化した。
「従来、大麻が広く蔓延していた欧米では、合法化し国が管理することで税収増加や反社会的勢力の資金源を封圧する狙いもある。しかし、清水容疑者のように留学や駐在先の“大麻合法国”で誘われて手を出し、帰国後も続けるケースが少なくない」(社会部記者)
“大麻が手軽に買える”現代日本の闇
一方、日本では規制強化が進む。23年には大麻取締法が改正され、所持や譲渡に加え使用も禁止されたほか、単純所持罪の拘禁刑は5年以下から7年以下になるなど、厳罰化された。
厚労省麻薬取締部関係者が解説する。
「大麻は、より危険性の高い薬物への入り口となる“ゲートウェイ・ドラッグ”として認識されており、日本での合法化はまずありえない。関係省庁からも厳罰化を求める声の方が強い」
8月には、大麻由来の違法成分を含む製品が送られた疑いで、福岡県警が新浪剛史サントリーHD会長(当時)の自宅を捜索し騒動となった。
「日本でも、乾燥大麻(マリファナ)や樹脂(ハシッシュ)のほか、オイル状に加工した液体大麻や、大麻グミ・クッキーなど多様な大麻製品が流通する。SNSでは『野菜』『クサ』、ブロッコリーの絵文字などの隠語を使って売買が行われ、指定場所に宅配するサービスまである」(同前)
警察関係者が嘆息する。
「昔のように裏社会の売人と面識がなくても手軽に買える時代。摘発されるのはごく一部に過ぎない」
規制強化をあざ笑うかのように、大麻は予想以上にこの国に蔓延している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年9月18日号)