2022年に静岡県焼津市立中学校3年の女子生徒(当時14歳)が自殺したのは、学校側がいじめへの対策を怠ったことが原因だとして、両親が29日、市に約7000万円の損害賠償を求めて静岡地裁に提訴した。
訴状などによると、生徒は同年4月、市内の別の中学から転校。同級生から「きもい」と言われたり、作品を破られたりした。道徳の授業では「またいじめにあうかもしれない」などと書いたプリントを提出していた。生徒は同年9月28日に自殺。市教育委員会が設置した第三者委員会は23年6月、いじめがあったと認定する報告書をまとめた。
原告側は、生徒への積極的な声かけを行うとともに、面談などで精神的苦痛の解消や緩和をする注意義務を怠ったと指摘。記者会見した父親(60)は「娘とたくさん話をしたかった。こんな思いをする方が少なくなれば」と語った。
市教委は「訴状が届いておらずコメントできない」としている。