芸能人の移籍妨害、独禁法違反に=事務所向け指針公表―公取委

公正取引委員会と内閣官房は30日、芸能人が契約などで不利な立場に置かれないよう、芸能事務所に適切な対応を促す指針を公表した。事務所が芸能人の移籍や独立を妨害するなどの行為は独禁法に抵触する恐れがあり、違反が確認された場合は厳正に対処するとしている。
指針では、別の事務所への移籍や独立を禁じる「専属義務」について、契約書に明確な期間を定めることや、違約金を請求する際には算定根拠を示すことなどを求める。報酬については、事務所が一方的に決定せず、グッズ販売の収益の分配比率といった支払い条件をできる限り契約に盛り込むことなどを促す。
事務所側が移籍後や独立後に芸名の使用を制限する事例があることから、芸名やグループ名の扱いについても明記。認知度の低下や収益減少につながる恐れがあるため、合理的な理由がない限り退所後も使用を認めるべきだとした。 [時事通信社]