安倍晋三・元首相(当時67歳)が2022年に奈良市内で銃撃されて死亡した事件で、殺人罪などで起訴された無職山上徹也被告(45)の裁判員裁判について、奈良地裁は2日、判決日時を来年1月21日午後1時30分に指定したと発表した。公判は12月に結審予定で、判決を含めて全19回となる見通し。
地裁はこれまで、初公判を10月28日、第2~7回を同29日~11月13日に指定していた。2日の発表によると、第8~18回は11月18日~12月18日で、初公判以降、週2、3回ペースとなる。
起訴状では、山上被告は22年7月8日昼、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の路上で、参院選の応援演説中だった安倍氏を手製銃で銃撃して殺害したとしている。
複数の公判関係者によると、弁護側は殺人罪について認める方針。その上で、母親の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への信仰で家庭が崩壊した「宗教的虐待」が事件に影響を与えたと訴え、情状酌量を求めるという。一方、検察側は「宗教論争ではない」と反発。殺意の強さや計画性を主張するとみられる。
地裁は、検察側が証人とするよう求めていた対象者のうち解剖医ら一部を採用している。地裁は、検察側、弁護側それぞれが請求している残りの対象者の採否を近く決定するとみられる。