高市政権スタートは前途多難…麻生太郎氏暴走で公明とギクシャク、裏金議員も復権で自民は分断加速

予定通り15日に臨時国会は召集されるのか。雲行きが怪しくなっている。自公の連立維持協議をめぐる問題だ。
自民党の高市総裁は「自公連立が基本中の基本」として、4日の総裁選直後に公明党本部を訪問。しかし、タカ派の高市氏によって政権の右傾化を懸念する公明党は態度を硬化。斉藤代表が高市氏に「裏金事件のけじめ」「靖国神社参拝」「外国人との共生」といった懸念を伝え、「その解消なくして連立はないと申し上げた」と発言。「あの温厚な斉藤代表が」(永田町関係者)と驚かれるほどだった。
そんな中、高市勝利の立役者として我が世の春を謳歌している麻生最高顧問が国民民主党に連立入りの秋波。6日、国民民主の榛葉幹事長と都内で約30分間会談し、今後の連携について意見交換した。麻生氏は党副総裁へ復帰する。幹事長に義弟の鈴木総務会長を押し込み、党の実権を握ることになる。
「麻生さんは岸田政権時にも国民民主を連立政権に引き込もうと画策し、動いた。当時は自公で衆参過半数を持っていたが、麻生さんは公明嫌い。自公国連立になれば必要以上に公明に配慮しなくていい、と考えたわけです。いま自公連立がギクシャクしているのに、国民民主との接触がメディアに報じられるのはどうなのか。公明が態度をますます硬化させるのではないか」(自民党関係者)
高市氏本人も5日に国民民主の玉木代表と都内で秘密裏に会談していたことが、昨夜明らかになった。
公明は想像以上に強硬だ。自民との連立協議について「ゼロベースで臨むべき」との意見も出ているという。
「創価学会の女性部は高市さんへのアレルギーが強い。現状では首相指名選挙で高市さんの名前を書けない」(公明党関係者)
与党の甘い汁を吸ってきた公明が簡単に連立を離脱するとは思えないが、7日正式に発足する自民新執行部のメンバーは高市に近い右派がズラリ。旧安倍派幹部の裏金議員、萩生田元政調会長も幹事長代行で党役員入りだ。公明が求める「裏金事件のけじめ」は無視されているようなものだ。
旧安倍派は大ハシャギ
高市人事へのアレルギー反応は足元の自民内からも上がっている。麻生派、旧茂木派、旧安倍派で固める露骨な論功行賞。中でも旧安倍派は表舞台に戻れると大ハシャギらしい。
「安倍派幹部らが党内の中堅・若手に電話してきて、人事をチラつかせたそうだ。さもオレたちが仕切ってやると言わんばかりです。萩生田さんの幹事長代行も最悪。記者会見も担当するし、幹事長の代わりにメディア出演もある。世論の視線はまだ厳しいのに……」(別の自民党関係者)
石破政権時の主流派と非主流派が完全に逆転した。高市氏に距離のある議員らは「これじゃあ党は持たない」と冷ややかだ。党内の分断は加速。総裁選中にあれほど強調された「挙党態勢」にはほど遠い。こんな大混乱で“高市政権”はマトモにスタートできるのか。
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旧安部派幹部にとっては思い通りの展開だったのか……。●関連記事【もっと読む】『高市早苗氏推しの旧安部派幹部は“復権”に虎視眈々…裏金事件再炎上も被害者気取りのおそるべし厚顔無恥』で詳報している。