「既婚男性職員とホテル」の前橋市長の続投表明に市議会側「説明不十分」、あす対応を協議へ

前橋市の小川晶市長(42)が既婚の男性職員とホテルに10回以上行っていた問題で、小川市長は17日、市長は辞職せず、任期満了まで給与を50%減額する方針を明らかにした。報告を受けた市議会の富田公隆議長は20日の各派代表者会議で対応を協議する考えを示したが、市議からは説明は不十分との指摘もあり、続投への理解が得られるかは不透明だ。
小川市長は市役所で報道陣を前に、「世間を騒がせ、皆様に混乱を与えていることに責任を感じている」と改めて陳謝。「社会通念に沿って市民目線の判断ができるよう、自分自身を律していく」と述べた。
続投を決めた理由は、「公約を一日でも早く果たしてほしいという声をいただいた。批判されても前に進むことが責任と感じた」とした。男性職員と会う場所にホテルを選んだ判断には改めて、「不適切な場所だった」と反省した。今後は職員との打ち合わせは市役所で実施することを明言。「感情的になることが多い」としていた自身の心のケアは、今後は外部の専門家に依頼するという。
現在は副市長の代理出席などで対応している対外的な公務は来週以降、先方の意向を踏まえて出席を再開する。
小川市長は続投表明の前に富田議長と面会し、市議会が進退を速やかに示すよう求めた3日の申し入れ書への回答を提出。続投の意向と、報酬減額を伝えた。
減額の対象は期末手当などを含む給与全体で、特別職報酬等審議会への諮問を経て、年内にも市議会に条例改正案を提出する方針だ。
富田議長は報道陣の取材に対し、市長の回答について「内容を精査し、市議会として対応を検討していく」として、20日に開く各派代表者会議で議論を進める考えを示した。
小川市長には、書面だけでなく改めて全市議38人への説明を求めるといい、21日以降に開催する方向で調整している。富田議長は「市職員の負担やモチベーションの低下、市のイメージ低下といった影響は数字に出ない」と指摘。「市長は再発防止に向けた対応を検討してほしい」と述べ、支援者主催の説明会に対応するだけでなく、第三者委員会の設置などを求めた。

市民からも賛否の声…「チャンスを」「市のイメージ不安」

小川市長の続投表明については、市議や市民から賛否の声が上がった。
市議会最大会派・前橋高志会の小曽根英明幹事長は「市長自ら道筋を示した。他の会派の話も聞き、会派の合意を得てから態度を示したい」と述べた。立憲民主党と国民民主党の市議で作るまえばし市民クラブの角田修一幹事長は「市民の声や他の自治体の事例を参考に、もう一度立場を検討したい」と話した。
一方、前橋令明の小渕一明幹事長は内容に納得せず、「残念な結果。けじめをつけるべきで、何のための道義的責任かわからない」と苦言を呈した。共産党市議団の近藤好枝団長も、「前提として(これまでの)説明が納得できる内容ではない」と述べた。
会社員の男性(52)は「小川市長はクリーンなイメージだったので残念だが、しっかりと説明をすれば続けてもいいのではないか」と話した。自営業の50歳代女性も「やり直すチャンスがあってもいい。これからの姿を見ていきたい」と続投を支持した。
市中心部の商店街にいた30歳代の男性会社員は「説明責任を果たしていない。辞職して新しい人になったほうがいい」と話し、男子高校生は「このまま続けて、前橋のイメージがどうなるか不安」と問題の影響が残ることを懸念した。