岩手県北上市の温泉施設近くで、クマに襲われた男性従業員の遺体が見つかった事件で、北上署は21日、司法解剖の結果、遺体が行方不明だった従業員の笹崎勝巳さん(60)と確認したと発表した。
同署によると、死因は出血性ショック。首や背中などにかまれた跡や引っかき傷が残っていたが、身体的特徴から本人と断定した。
16日午前、「露天風呂を清掃中の笹崎さんの姿が見当たらない」と温泉施設から通報があり、周辺を捜索。17日朝、近くの雑木林で遺体を発見した。発見時、遺体の近くをうろつくクマが目撃され、地元猟友会のハンターが駆除した。
関係者によると、笹崎さんは過去に全日本女子プロレスのレフェリーとして活躍。プロレス業界に長く携わり、ファンの間では「伝説のレフェリー」と呼ばれ、親しまれた。今春から家族と住み込みで温泉施設で働くようになり、他のスタッフとも交流を深めていたという。