民家に居座りのクマ、6日目にようやく捕獲…箱わなごと運び出し駆除・家の中はかなり荒らされた跡

秋田県湯沢市のJR湯沢駅近くで20日朝に男性を襲った後、民家に入り込んだクマについて、市は25日、設置した箱わなで捕獲したと発表した。クマが家の中にとどまって6日目にようやく捕獲され、周辺の住民からは「やっと日常に戻れる」と安堵(あんど)の声が上がった。
市によると、25日午前2時15分頃、現場で警戒していた市職員が箱わなに入ったことを目視で確認。同7時15分頃、箱わなごと軽トラックに載せて運び出した。クマは体長1メートル30ほどのオスだった。家の中はかなり荒らされていたという。クマは駆除された。
民家の隣に住む男性(70)によると、午前2時過ぎにガタガタと激しい音が聞こえ、外に出ると警察官から捕獲したと聞いたという。男性は「大きな音を出さないよう緊張して生活し、心が休まらなかった。ほっとしたが、まだ油断できない」と語った。
民家は湯沢駅の北東約250メートルにあり、クマは20日午前6時20分頃、住人の男性(65)を玄関先で襲い、開いていた扉から中に入った。市は市街地での猟銃使用を許可する「緊急銃猟」を検討したが、銃弾がそれた場合に弾を受け止める「バックストップ」がないことから実施を見送り、箱わなを2基設置していた。
現場で報道陣の取材に応じた佐藤一夫市長は「戸を閉めてくれたおかげで被害が拡大せずに済んだ。長引いてしまったことをおわびしたい」と述べた。

クマによる人身被害は25日も相次いだ。
同日午前6時10分頃、秋田市河辺三内の県道で、ランニング中の近くの会社員男性(51)がクマ(体長約50センチ)に襲われ、顔などを負傷。午前7時10分頃には、同市上新城保多野の60歳代男性が自宅近くの川沿いを歩いていたところ、クマ(体長約1メートル)に背中を引っかかれ、軽傷を負った。
宮城県大衡村大衡では午前6時10分頃、60歳代女性が自宅玄関を出たところをクマ(体長約80センチ)に襲われ、左腕にけがを負った。