秋田県の鈴木健太知事は28日、小泉進次郎防衛相と省内で面会し、県内で相次ぐクマによる被害を巡り、自衛隊による箱わなの設置といった後方支援を求めた。小泉氏は「深刻な状況だ」とした上で、隊員を同日午後に県庁に派遣し、具体策を調整する方針を示した。武器による駆除は検討していないという。
鈴木氏は「問題が長期化し、現場の疲弊がピークを迎えている。自衛隊の力を借りなければ国民の命を守れない状況だ」と強調。小泉氏は「恐怖や不安は察するに余りある」とした上で、「防衛省・自衛隊としても与えられた能力と権限を最大限に生かし、県と協力して早急に対応策を練る」と応じた。
県などによると、26日までに2人が死亡するなどクマによる県内の人的被害は54人に上った。わなの設置や猟友会メンバーらが駆除したクマの輸送などの支援を求めた。
自衛隊の派遣に関し、木原稔官房長官は28日の記者会見で「本来任務の遂行に支障のない範囲で協力していく」と説明。関係省庁に対し、早急なクマ対策の見直しを指示したことも明らかにした。防衛省も加わり、30日に連絡会議を開く。 [時事通信社]