愛媛・今治ピアノ教師殺害事件「人に危害を加えることに対する抵抗感が全く見られない」殺人など6つの罪に問われた35歳の被告に懲役22年の実刑判決

去年、今治市の民家に侵入しピアノ教師の女性を殺害したなどとして殺人などの罪に問われている男の裁判。
松山地裁は、懲役22年の実刑判決を言い渡しました。
西条市の無職榊原正道被告(35歳)は去年1月今治市松本町の民家に侵入し、元交際相手の母親であるピアノ教師の冨田小雪さん(当時64歳)の首を包丁で切り付け殺害したなどとして、殺人などあわせて6つの罪に問われています。
榊原被告は初公判で、冨田さんへの殺意と元交際相手である冨田さんの次女の監禁を否認しており、今回の裁判では、当時被告が故意に冨田さんを切りつけたかどうかなどが争点になっていました。
榊原被告は「脅して静かにするために首に包丁を近づけていたところ、冨田さんが体を動かすなどする中で切れてしまった」などと供述していましたが、先月31日の判決公判で松山地裁の渡邉一昭裁判長は、司法解剖を担当した医師の証言などから「被告人が強い力で5回切りつけたことによって生じたものとみるほかない」と、強固な殺意を認定したうえで「犯行態様は残忍かつ執拗」と指摘しました。
その上で「自らの保身のため場当たり的に複数の犯行に及んでおり、人に危害を加えることに対する抵抗感が全く見られない」などとして懲役25年の求刑に対し懲役22年の実刑判決を言い渡しました。
弁護人は「控訴する方針」としています。