日朝首脳会談の開催、高市首相が北朝鮮側に提案…拉致問題解決へ「手段を選ぶつもりない」

高市首相は3日、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、日朝首脳会談の開催を北朝鮮側に打診したと明らかにした。都内で開かれた拉致被害者救出を求める国民大集会で「被害者の命と国家の主権がかかった問題に対し、手段を選ぶつもりはない。すでに北朝鮮側には首脳会談をしたい旨、伝えた」と語った。
打診した時期や相手側の反応など詳細には言及しなかった。首相はその上で、「首脳同士で正面から向き合い、具体的な成果に結びつけたい」と語り、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との会談に意欲を示した。
北朝鮮は昨年、正恩氏の妹・与正(ヨジョン)氏の談話を通じて日朝首脳会談に応じる可能性を示唆したが、拉致問題は解決済みとの立場は崩さず、進展しなかった。横田めぐみさん(拉致当時13歳)の弟で、家族会代表の拓也さん(57)は「首相に全幅の信頼を寄せている。一刻も早く被害者救出の手立てを講じてほしい」と求めた。
被害者家族を巡っては、今年2月に有本恵子さん(同23歳)の父・明弘さんが96歳で亡くなり、親世代で健在なのは、めぐみさんの母・早紀江さん(89)だけとなった。早紀江さんは「(北朝鮮に)子供たちを返さないといけないと分かってもらえるよう、交渉してほしい」と訴えた。