名古屋主婦殺害の安福容疑者…部活OB会で夫と会話し土曜不在を把握、持参した刃物で犯行か

名古屋市西区のアパートで1999年11月、高羽(たかば)奈美子さん(当時32歳)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された安福久美子容疑者(69)が、持参した刃物で刺したとみられることが愛知県警への取材でわかった。安福容疑者は、奈美子さんの夫が不在のタイミングでアパートを訪れており、県警は計画性があったとみて調べている。
県警によると、奈美子さんの死因は首などを刃物で複数回刺されたことによる失血死だった。当時アパートにあった包丁などの刃物は、使われたり持ち出されたりした形跡はなかったという。県警は2日に安福容疑者宅を捜索したが、凶器に使われたとみられる刃物は見つからなかった。
安福容疑者は奈美子さんと面識がなかったとみられるが、夫の悟さん(69)とは高校の同級生で同じ部活に所属していた。
関係者によると、事件5か月前のOB・OG会で安福容疑者と悟さんは二十数年ぶりに再会した。当時、不動産関係の会社に勤めていた悟さんは会合の中で、「土、日は仕事で火、水が休み」「結婚している」と話していたという。
悟さんによると、この時に安福容疑者は「私も結婚して仕事も家事もばりばりやっている。やりがいがある」と生き生きした様子で話していたという。県警はOB・OG会での悟さんらの発言を把握しており、安福容疑者も悟さんが不在の日を聞いていた可能性が高いとみている。
事件が起きた99年11月13日は土曜で、悟さんは仕事で留守だった。自宅は奈美子さんと当時2歳の長男の2人きりで、奈美子さんだけが襲われた。部屋にはむきかけのミカンやカップ麺があり、来客を待っていた様子ではなかったという。