ヒグマ駆除の現場で北海道積丹町議とのトラブルをきっかけに道猟友会余市支部がヒグマの出没に対応する出動を停止していた問題で、猟友会は13日、町内での活動を再開した。町議が猟友会に謝罪し、町と捕獲現場での安全管理の指針などをまとめたマニュアルの合意が得られた。
トラブルがあったのは9月27日。猟友会によると、町議の畑に出没したクマの駆除のため、ハンターが町議に現場から離れるように伝えると口論に。猟友会は翌28日、駆除時の安全が確保できないなどとして、町に対し出動要請への対応を「いったん停止する」と通知。今月12日までに複数回、町からの要請を拒否していた。
町によると、猟友会は町に現場での安全確約の書面作成を求め、12日に両者は「積丹町ヒグマ出没・捕獲対応マニュアル」について合意。猟友会はその場で13日から町内での活動を再開する方針を示した。
合意したマニュアルの内容は、町とハンターの役割分担や捕獲時の対応、広報の方法など6項目。ヒグマ捕獲時は、町側が規制線を張るなどし、関係者以外の立ち入りを防ぐとしている。
町によると、猟友会とトラブルがあった町議は7日の町議会常任委員会で自身の発言を謝罪。その後、猟友会に直接謝罪し、謝罪文も手渡したという。
十河昌寛副町長は「(猟友会は)さまざまな制約がある中で活動していることを改めて町民に伝えていきたい」と話した。【森原彩子】