安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)の裁判員裁判が13日、奈良地裁(田中伸一裁判長)であり、弁護側証人として出廷した被告の母親は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信したきっかけとして、「夫が自殺し、(被告の兄の)長男の失明と手術で非常に心を痛めていた」と述べた。
母親は入信する際、教団に対して2000万円、その翌年には3000万円を献金したと説明。亡くなった夫の生命保険金を充てたと明らかにした。
立て続けに献金したことを振り返った母親は「そんなことをするとは夢にも思わなかった。非常に恐れや震えることがあった」と語った。
持病のあった長男について弁護側から「献金すれば助かるかもしれないと考えたのか」と問われると、母親は「はい」と答え、「あの子の命を守りたかった」と語った。
この日、母親は証人尋問の冒頭で「徹也が大変な事件を起こし、首相、(安倍氏の妻)昭恵さんと遺族に心よりおわび申し上げます」と述べた。【林みづき、木谷郁佳】