高速道路で自損事故を起こした乗用車に放火したとして、大阪府警は14日、運転していた奈良県大和高田市の会社員、浜田達也容疑者(37)を建造物等以外放火の疑いで逮捕した。炎上した車内から男性1人の遺体が発見された。容疑者は「ガソリンをまいて火をつけた」と話しており、府警は殺人や死体遺棄容疑などを視野に調べる。
捜査関係者によると、容疑者は逮捕前の調べに「知人男性を刺して殺した」などとも供述しており、府警は車内で見つかった遺体が知人男性の可能性が高いとみて、慎重に裏付けを進めている。
逮捕容疑は3日午前4時40分ごろ、大阪府柏原市の西名阪道上り線で、自損事故を起こして停車中の乗用車に放火して全焼させたとしている。「火をつけて車ごと燃やしたことに間違いありません」と容疑を認めている。
府警捜査1課によると、容疑者は乗用車を運転中、路肩のガードレールに衝突する事故を起こした。その後、車両が炎上したという。
駆けつけた消防隊員が、焼けた車内の後部座席から50~60代とみられる男性の遺体を発見した。司法解剖の結果、死因は不詳で全身が焼損していた。容疑者も事故で負傷して病院に搬送された。
退院後の13日に府警が事情を聴くと、「私が無理やりガードレールに車を衝突させた。車内にガソリンをまいて火をつけた」などと話し始めたという。
府警は知人との間に何らかのトラブルがあったとみて、身元の特定を急ぐとともに詳しい経緯を調べている。
浜田容疑者の親族によると、容疑者は地元で整骨院などを経営する会社に勤め、店舗の院長として働いていた。この親族は取材に「職場の上司とトラブルがあったと聞いている」と話した。【斉藤朋恵、大坪菜々美】