横田めぐみさん(61)=拉致当時(13)=が北朝鮮に拉致されてから48年となった15日、めぐみさんが暮らしていた新潟市で拉致問題の早期解決を求める県民集会が開かれた。拉致被害者は平成14年に5人が帰国して以降、一人の救出も実現していない。集会では被害者や家族の高齢化が進む中、膠着状態の打開を求める切実な声が上がった。
めぐみさんの母、早紀江さん(89)はビデオメッセージを寄せ、「ぜひ拉致問題を忘れないで、自分の子供が被害にあったらどんな気持ちだろうかと置き換えて考えてほしい」と呼びかけた。登壇した弟の拓也さん(57)は「一刻も早く日朝首脳会談を開催し、全拉致被害者の即時一括帰国を実現してほしい。母は今日元気でも明日は元気がないかもしれない。本当に残された時間がない」と訴えた。
拉致被害者の曽我ひとみさん(66)も出席し、「母と会う日を絶対にあきらめない」と力を込めた。ひとみさんは14年に帰国した5人の一人だが、同時に拉致された母のミヨシさん(93)=同(46)=の帰国は実現していない。
拉致の可能性を排除できない特定失踪者、大沢孝司さん(79)=失踪当時(27)=の兄、昭一さん(89)は「特定失踪者も日本人だ。救出のため、今後一層の努力をお願いする」と政府に要望した。
拉致問題担当相を兼ねる木原稔官房長官も出席し、「私は最後の拉致担当相になる。強い覚悟を持って、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆる手段を尽くして取り組んでいく」と強調した。
集会には約700人が参加した。(竹之内秀介)