「伊東の改革を進めてもらいたいと押し上げてもらったが、5か月という短い期間での解任。まだまだやることや心残りもある」。学歴を偽ったと指摘され、市議会から2度目の不信任決議を受けて失職した静岡県伊東市の田久保真紀前市長(55)は19日、同市長選(12月7日告示、14日投開票)への再出馬に至った心情を語った。
田久保氏を含め、6人が出馬表明し、週内に2人が出馬会見を行う予定。全員が立候補すれば、同市長選最多の8人が争う大混戦が予想される。
田久保氏は前回市長選時と政策はほぼ変わらないとし、「新図書館計画は中止にして終わりではなく、市全体の図書館政策を考えていかなければいけない」と述べた。
「自分の強みは」と尋ねられた際には、「メンタルの強さ」と答えるなど、市長在職中と変わってジョークも飛び出したが、学歴問題の説明責任を問われると、「刑事告発されていてお答えできない」とかたくなな姿勢を崩さなかった。
市長選には、5月の市長選で敗れた小野達也・元市長(62)、いずれも無所属新人で、スポーツトレーナーの石島明美氏(58)、前市議の杉本憲也氏(43)、薬局会社顧問の黒坪則之氏(64)、NPO法人代表の岩渕完二氏(73)の5人が名乗りを挙げている。
候補多数で得票が分散し、有効投票総数の4分の1以上とする法定得票数を超える候補者がない場合には再選挙の可能性もある。総務省によれば、再選挙になった首長選は、1979年の千葉県富津市長選から2022年の東京都品川区長選まで7回あり、いずれも5人以上が立候補していた。
多数の候補で争われる市長選について、市内の女性(68)は「税金がたくさんかかった選挙。私たちの未来のために、候補者一人一人の政策を見てしっかり選びたい」と話した。
小売業の女性(55)は「若者が流出し、人口減や観光業の衰退など課題はある。重い1票、市民のことを考えてくれる人に投じたい」と話していた。
出馬会見での田久保氏の主な発言は以下の通り。