合憲判断に「間違いでは?」 同性婚訴訟 東京高裁判決に原告側憤り

同性同士の婚姻を認めていない現行の民法や戸籍法の規定が憲法に反するかが争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は28日、「合憲」と判断した。全国5地裁に6件起こされた同種訴訟で最後の控訴審判決。これまでの5件はいずれも違憲で、「ダメ押し」となる司法判断を願ってきた原告側からは「間違いではないか」と憤る声が上がった。
午前11時すぎ。控訴審で初めてとなる「合憲」の判断が出されたとのニュースが流れると、東京高裁前で吉報を待っていた支援者たちから「えー、合憲?」「めちゃくちゃだ」とどよめきが起き、涙ぐむ人の姿も見られた。
しばらくして、判決を聞き終えた原告の同性カップルらが高裁前に現れ、「不当判決 結婚の平等を認めず」と書かれた紙を掲げた。
原告の一人、鳩貝啓美さん(60)は報道陣を前に「理解しがたく、本当に残念な判決。涙が出ると言うより、怒り、あきれる。裁判官は私たちが届けた声を聞いてくれていたのか」と語った。
その上で、「この結果にあきらめることなく、最高裁に向けてさらに行動することが大切」と話した。
最後は支援者たちから原告たちに対して大きな拍手が起き、「おかしい!」「頑張るぞ!」との声援が続いた。【安達恒太郎】