安倍氏の殺害「間違いだった」 山上被告が法廷で証言 元首相銃撃

安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)は4日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれた裁判員裁判の被告人質問で、「安倍氏が殺害されなければならなかったのは間違いだった」と語った。
被告は事件前、手製銃を作り、山中で試射を重ねるなどしてきた。2022年7月8日の事件当日には、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、演説中の安倍氏の後方から2回発砲した罪に問われている。
この日で最後となる被告人質問の終盤、裁判長は改めて問いかけた。「銃を作る過程で、命を奪ってはならないとするルールへの葛藤はなかったのか」
これに対し、被告は「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)というものに対し、道徳感情を超えてしまったものがあり、銃を作っていたが、それが安倍元総理に向いた」と語った。
そのうえで、「安倍元総理が亡くならなければ、殺害されなければならなかったのは、間違いだったと思っております」と述べた。【木谷郁佳】