「不自由展」再開 河村市長「表現の自由の名借りた暴力だ」

愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」は、8日午後に再開する。不自由展は従軍慰安婦を象徴する「平和の少女像」などの展示に抗議が相次ぎ、8月1日の芸術祭開幕から3日間で中止されていたが、芸術祭実行委員会会長の大村秀章知事が7日、安全対策や入場制限を講じた上で再開すると表明した。
芸術祭実行委員会のホームページによると、入場は1日2回に制限。窓口を訪れた鑑賞希望者の中から抽選で1回30人に絞り、1回目が午後2時10分から1時間、2回目が午後4時20分から40分間とする。大村知事の7日の発表によると、鑑賞者は事前にエデュケーション(教育)プログラムを実施し、ガイドを付けて鑑賞する。安全を確保するため金属探知機によるチェックも行う。
8日午前9時過ぎに会場に駆けつけた名古屋市昭和区の無職、近藤倫明さん(25)は「不自由展はもちろん、中止に抗議して展示をやめていた他の作家の作品も見られるようになったのでうれしい。抽選に当たるのは難しそうだが、全面再開した会場を楽しみたい」と語り、不自由展以外の会場が開かれると笑顔で中に入っていった。
同日午前8時半ごろに会場を訪れて作品を鑑賞した名古屋市の河村たかし市長は、その後、市役所で報道陣の取材に応じた。河村市長は昭和天皇の肖像をモチーフにした版画が燃える映像作品に言及し、「表現の自由の名を借りた暴力だ。名古屋市は(展示に)反対していると示すために(午後に会場前で)座り込みをする」と話した。【野村阿悠子、黒尾透】