《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言

事件が起きたのは”夢の国”だ。12月1日20時頃、千葉県浦安市・東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」の宴会場に突然、中国語で怒号が飛んだ。
「それ以上、近づいたらぶっ殺すぞ」
当時、宴会場では千葉県松戸市内に勤める会社員たちが親睦会をしていたという。幸い怪我人は出なかったものの、飲み会のムードから一転して辺りは物々しい雰囲気に包まれた。一体この”刃物男”は何者だったのか。【前後編の前編】
キー局社会部記者が解説する。
「犯行現場となったのは宴会場です。ある会社が懇親会でプレゼントの抽選会を行なっていたところ、突然男が侵入してきて、中国語で何か書かれた紙をテーブルに配り始めた。男はその後、リュックサックから刃物のようなものを取り出して、知人とみられる男性を脅したということです。犯行はものの数分の出来事でした」
目撃されたのは身長175~180センチで、30~40歳代の男。千葉県警は男が犯行後、JR舞浜駅から電車に乗って逃走したとみて、男の行方を追った。
「2日、県警は容疑者として中国籍の自称自営業・姜春雨容疑者(34)を神奈川県川崎市内で逮捕しました。男は自宅アパート前の路上で確保されましたが、抵抗する気配はなかったようです。
捜査関係者によれば、男はホテルで宴会を行なっていた会社の元従業員で、『同社への”抗議文”を配っていたところ止められたので、持参した中華包丁を出した』などと供述しています。暴力行為等処罰法違反(脅迫)の疑いがかけられていますが、『(刃物を)向けたり脅迫はしていない』などと容疑を一部否認している。県警はこの会社と容疑者の間にトラブルがなかったかどうかを含め捜査を進めています」(同前)
姜容疑者はJR武蔵中原駅から南に徒歩で20分ほどの賃貸アパートに住んでいた。電車を使って移動したと仮定すると、事件現場のホテルまではおよそ2時間かかる距離だ。
近隣で飲食店を経営する男性が「彼は常連客だった」と証言する。
“夢の国の刃物男”の素顔
「去年の11月くらいから見かけるようになりました。多いときは週に2~3回きて、昼ご飯を食べていく。うちは定食もやっているんですが、彼はいつも前菜を数種類と、ご飯ものを頼む。こだわりが強いのか、うちではあまり見かけないスタイルの注文でしたね。
注文は指差しだったので、日本語は話せないか苦手なんだと思います。言葉を発したことは一度もなかった」