生成AIなどで作成した子供の「性的偽画像」、同じ学校の加害者が半数…「学校の端末で入手」行事の画像悪用も

生成AI(人工知能)などを悪用した子供の性的偽画像「性的ディープフェイク」を巡る相談・通報が今年1~9月、全国の警察に計79件寄せられていたことが、警察庁のまとめでわかった。同級生らが加害者となるケースが目立ち、警察庁が注意喚起している。
発表によると、79件のうち14件では生成AIのサイトやアプリ、2件で画像加工アプリの悪用が確認された。被害者別では中学生が最多の41件で、高校生が25件、小学生が4件だった。
加害者を見ると、被害者の同級生や同じ学校の生徒らが42件で半数を占めていた。学校のタブレット型端末で入手した行事の画像を悪用したり、作成した偽画像を別の生徒に販売したりしていたという。
このほか、SNSなどで知り合って加害者となったケースが5件で、教員が勤務先の児童の性的偽画像の作成を、第三者に頼んでいた事案もあった。
警察当局は悪質事案を捜査し、加害者を名誉毀損(きそん)やわいせつ電磁的記録記録媒体陳列容疑などで4件摘発した。事件化には至らない指導・警告は26件で、補導が6件だった。
警察が昨年1年間に把握した同様の相談・通報は110件に上った。今年は9月末時点で前年同期(76件)を上回っており、同庁は啓発チラシを作成し、学校や家庭で生成AIの利用法を話し合うよう求めている。