「H3」8号機、25分後に予定より早く第2段エンジンが停止…JAXAが状況確認中

日本の主力ロケット「H3」8号機が22日午前10時50分頃、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたが、約25分後に第2段エンジンの燃焼が予定より早く停止する異常が発生した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は状況の確認を急いでいる。8号機は内閣府の測位衛星「みちびき」5号機を搭載している。
H3の打ち上げは、2023年3月の1号機では第2段エンジンが着火せず、指令破壊された。24年の2号機から今年10月の7号機までは5回連続で成功していた。
今回の8号機は、補助ロケットブースターや第1段エンジンを分離し、第2段エンジンの燃焼で飛行を続け、約30分後にみちびき5号機を軌道に投入する予定だった。JAXAによると、打ち上げの約5分後に第2段エンジンを点火し、予定通りに一度燃焼を停止。同約25分後に第2段エンジンを再点火したが、その直後に燃焼が停止したことが確認された。
打ち上げは当初、今月7日の予定だったが、ロケットの姿勢や速度を測る機器に不具合が見つかったため延期された。その後、機器を交換して17日に打ち上げを目指したが、地上の冷却設備のトラブルで、直前に打ち上げが中止された。JAXAは、手順書の見直しなどの対策をして冷却設備が適切に稼働することを確認した上で、22日の再打ち上げに臨んでいた。
8号機は全長57メートルで、主エンジン2基、推力を増強するための補助ロケットブースターを2本使っている「22形態」と呼ばれるタイプ。これまで打ち上げに4回成功した標準的なタイプだ。
H3は、今年6月に退役した「H2A」の後継機として、JAXAと三菱重工業が共同で開発した。