北海道・知床半島沖で観光船が沈没し、乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明となった事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社「知床遊覧船」社長、桂田精一被告(62)の公判が24日、釧路地裁(水越壮夫裁判長)であった。元船長の男性が証人出廷し、「経験が浅い人しかおらず、大なり小なり事故は起きると思った」と述べた。
証言によると、男性は2013年から20年まで同社で船長として勤務。当時は他の従業員と天気予報を確認するなどして出港するかを協議していたが、桂田被告や死亡した船長が話し合いに参加したことはなかった。事故発生前年の21年までに、男性を含め勤務歴の長い従業員らが雇い止めになったという。
男性と共に雇い止めになった別の元船長も証人出廷。「被告が運航管理をできると思ったか」との検察側の質問に、「できないと思う。船や海のことを何も分からない状態だった」と話した。 [時事通信社]