文部科学省が特別支援学校(特支)の卒業生を「18歳人口」に含めず大学進学率を算出していた問題で、同省は26日、算出法を改めた上で、2025年度の学校基本調査の結果(確定値)を発表した。学校保健統計など15の調査についても、特支の児童生徒が対象から除外されていたケースなどがあり、今後検証を進める。
同省はこれまで、大学の入学者数を3年前の中学校の卒業者数で割って大学進学率を算出してきた。この分母に、特支中学部の卒業者数が含まれていなかったことが判明し、松本洋平文科相が今月2日に謝罪。算出法の見直しを指示していた。
同省の検証の結果、学校基本調査で不適切な算出をしていたのは、大学や高校、短大などへの進学率のほか、中卒・高卒就職率など計11項目。それぞれ、特支の卒業者数や在籍者数を適切に算入しておらず、同省は過去にさかのぼってデータを修正した。
24年度の大学進学率は59.1%と公表されていたが、21年に特支中学部を卒業した9836人を分母に加えて再集計した結果、58.6%に修正された。今年度も同じ58.6%だった。
同様の不適切な算出法は、文部省(当時)発行の1971年版「文部統計要覧」から用いられ、学校基本調査でも99年度以降、漫然と踏襲されてきたという。 [時事通信社]