青森県東方沖を震源とする8日の地震で損傷した、「NTT青森八戸ビル」(八戸市)の鉄塔に倒壊の恐れがないと確認された。近くの35世帯に出されていた避難指示も解除され、住民らは24日、ホッとした表情を見せた。市中心部の渋滞につながっていた国道45号などの通行止めも解除され、熊谷雄一市長は「市民にとって日常が戻り、喜ばしい」との談話を出した。
避難指示の解除を受け、鉄塔のそばに住む公務員の男性(52)は24日午前、避難先のホテルで使っていた荷物の一部を、車で自宅に運び入れた。妻と長女、長男と4人で11日夜から約2週間、ホテル暮らしを強いられていた。
ホテルでは自炊できず、食事は購入した弁当などになり、不便だったという。ホテルに持ち込んだ衣服や日用品を整理する必要があり、帰宅は25日になる予定だ。「自宅の方が気楽だし、安心できる。徐々に普段の生活に戻れたら」と喜んだが、「これで終わりではない。鉄塔の補強はきちんと進めてほしい」と注文をつけた。
飼っている犬はペットホテルに避難したため、小学5年の長男(11)は「会えなくて寂しかったが、また一緒に過ごせる」とうれしそうだった。