腕時計売却で18億円 トケマッチ元代表ら、当初から詐取目的で換金か

腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」を巡り、所有者から預かった高級腕時計をだまし取ったとして逮捕された運営会社元代表らが、時計の売却代金として18億円を得ていたことが捜査関係者への取材で判明した。サービス開始の2カ月後には所有者に無断で売却を始めたといい、警視庁捜査2課は、当初から時計をだまし取って換金する目的だったとみて調べている。
捜査関係者などによると、詐欺容疑で逮捕された運営会社「ネオリバース」元代表の小湊(本名・福原)敬済(たかずみ)容疑者(44)らは、2021年1月にサービスを開始。その年の3月以降、2300本の高級腕時計を質店や買い取り店で現金化していたとされる。
被害届が出ていない分を含め、売却額は計18億円に上るという。持ち込み先は東京や大阪、福岡など7都府県の110店に分散させており、事件の発覚を遅らせようとしたとみられる。
小湊容疑者らは、売却で得た金のうち8億円をオンラインカジノ関係の口座に送り、1億円以上を仮想通貨(暗号資産)に換えていたという。一部は時計を預けた利用者への預託料の支払いにも充てられたとみられる。【長屋美乃里】