東京都大田区のマンション一室で、住人で音響設備会社社長の河嶋明宏さん(44)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された同社営業部長の山中正裕容疑者(45)(同区中央)が、事件前後に服を着替えていたことが捜査関係者への取材でわかった。河嶋さんを襲った時に着用していたとみられる服や靴などは捨てられており、警視庁は、捜査を逃れるため、事前に準備していたとみて調べている。
山中容疑者は7日夜頃、同区大森北のマンション一室で、河嶋さんの首などを刃物で刺して殺害したとして、9日に逮捕された。「殺すつもりはなかった」と容疑を一部否認している。
捜査関係者によると、同庁が防犯カメラ映像を確認したところ、山中容疑者は7日午後5時頃、上下黒っぽい服装に白のスニーカー姿で自宅を出発。約40分後、現場のマンションに入る際には、上着が白のジャージー、靴ひもと靴底が赤いスニーカーに変わっていた。同7時半頃にマンションを出る時には元の服装に戻っており、事件直後に室内で着替えたとみられる。
マンションに入った時に着用していたとみられる服や靴は、同区内の別のマンションのゴミ集積所で見つかり、果物ナイフも一緒に捨てられていた。いずれも血が付着しており、同庁で鑑定を進める。
2人は高校の同級生で、山中容疑者は河嶋さんに誘われ、約4年前に入社していた。山中容疑者は逮捕前の任意の調べに「日頃の態度が不満だった。意見を言いに行ったら、もみ合いになった」と説明。「玄関にあった殺虫剤を噴霧し、ひるんだところで首を刺した。逃げるのを追いかけ、後ろから襲った」と話したという。
河嶋さんには刃物による傷が10か所以上あり、同庁は強い殺意があったとみて詳しい経緯を調べている。
同庁は10日、山中容疑者を東京地検に送検した。