高市早苗・首相は来る通常国会冒頭で衆院解散に踏み切る構えだ。根回しなしの”大博打”に、与野党で動揺が広がっている。高い支持率を頼りに単独過半数復活を狙う高市氏の目論見通りになるのか。本誌・週刊ポストは選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力のもと、全289の小選挙区の情勢を詳細に分析。各党が獲得する議席を予測すると、政権枠組みさえ変わりうる衝撃の結果となった。注目選挙区の趨勢を見てみよう。
公明票に期待できない自民党候補の首都決戦の形勢
党内基盤が弱い高市首相にすれば、裏金問題や旧統一教会問題などで批判を浴びて落選した旧安倍派などの議員をできるだけ多く国政復帰させ、自民党内に”高市チルドレン”を増やして党内基盤を固めたいところだろう。
そのカギを握るのが首都決戦だ。東京ではとくに公明票の動向が当落に大きく影響しそうだ。
■東京3区・東京19区/大臣2人が落選危機
前回総選挙では時の石破内閣の大臣が次々に落選したが、高支持率の高市内閣にも当落線上の大臣がいる。石原宏高・環境相(東京3区)と松本洋平・文科相(東京19区)だ。
「過去の選挙は公明党との選挙協力があったのに接戦で、石原氏は選挙区で5勝3敗、松本氏は4勝4敗。大臣は選挙に有利といわれるが、公明票を丸ごと失えば2人ともかなり厳しい選挙になる。現職大臣落選の可能性は十分あります」(野上氏・以下同)
■東京7区/高市人気便乗で丸川珠代が狙う「夫とアベック復活」
旧安倍派のマドンナ議員として知られたが、参院から鞍替えした前回総選挙で裏金批判を浴びて落選。高市氏が総裁に就任すると「史上初の女性総裁誕生」と歓迎し、総裁選でも党員として高市氏に投票したと「高市支持派」をアピール。同じく裏金批判で落選中の夫・大塚拓氏(埼玉9区)とともに高市人気に便乗してアベック当選を狙う。情勢は接戦。
■東京11区/下村博文「W醜聞」の逆風止まず
派閥の裏金問題と旧統一教会との親密な関係という2つのスキャンダルで猛批判を浴びて落選した旧安倍派の大幹部。今回は処分が終わって自民党公認で出馬予定だ。
「前回選挙では頼みの綱だった公明票も離れた。公明の連立離脱で票を取り戻すのは一層難しくなった。大苦戦は免れそうにない」
■東京24区/萩生田光一「勝てば幹事長起用」も!?
旧安倍派5人衆の1人で、総裁選では旧安倍派の票をまとめて高市勝利の立役者となり、裏金問題や旧統一教会との関係が批判されているにもかかわらず高市首相から自民党幹事長代行に起用された。数少ない高市腹心の1人で、「自民勝利なら次期幹事長就任」との見方まである。
「萩生田氏は下村氏とは対照的に地元の公明党とのパイプが太く、前回総選挙も批判のなか、自民党公認なしの無所属で勝ち抜いた。公明党の地盤が強い選挙区だけに、連立離脱の影響がどのくらいあるのかが注目される。現状ではやや有利な戦いだが、公明票を失えば形勢一転の可能性もある」
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※週刊ポスト2026年1月30日号