知事・市長・衆院「トリプル選」の大阪、選管悲鳴…知事選告示あと2日で「掲示板が一か所も立たないかも」

あと2日に迫った大阪府知事選の告示(22日)に、選挙ポスターを貼る掲示板の設置が間に合わない自治体が相次いでいる。吉村洋文知事(日本維新の会代表)の辞職表明から告示までわずか1週間しかなく、2月8日に同日投開票となる衆院選の準備にも手を取られるためだ。各自治体の選挙管理委員会は「とてもじゃないが、作業が追いつかない」と頭を抱えている。
大阪府豊中市役所の近くにある府立桜塚高校。校門前に掲示板が設置される予定だが、1月20日朝の時点で、支柱となる木の杭(くい)4本が打ち付けられているだけだった。
市選管によると、掲示板の納入は23日以降になる可能性がある。業者に頼み、掲示板を設置する市内486か所で先行して杭打ちを進めているが、担当職員は「最悪、このままの状態で告示日を迎えることになるかもしれない」と明かす。
このほか、「業者が衆院選の作業に追われており、知事選の掲示板は告示日までに一か所も立たないかもしれない」(東大阪市選管)、「何とか2月8日の投開票日までには全て間に合わせたいが……」(堺市選管)などの声が出ている。大阪市長選との「トリプル選」になる大阪市は19日、約2000か所の掲示板を700か所程度に絞り込むことを明らかにした。
府内の自治体から仕事を請け負う看板製作業者は20日、読売新聞の取材に「社員全員が休み返上でやっているが、それでも間に合わない状況だ」と慌ただしく語った。
設置が間に合わない理由は、準備期間の圧倒的な短さだ。吉村氏が出直し知事選に向けて辞職を表明したのは15日夜で、翌16日に衆院選との同日実施が決まった。衆院選は「27日公示―2月8日投開票」の日程で実施されるが、知事選の選挙期間は衆院選より5日長い17日間のため、告示日は今月22日となる。
「超短期決戦」の影響は掲示板以外にも出ている。府選管は通常、告示前に立候補予定者に対する説明会を開いて資料を配布し、立候補の手続きや注意点などを伝えるが、今回は時間がないとして開催を見送った。立候補予定者は個別に資料を取りに行く必要があるが、20日午前10時時点で訪れたのは、吉村氏の陣営のみという。