立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」の安全保障やエネルギー、憲法改正といった基本政策は、立民が公明の主張に近づける形で決着した。中道勢力結集のため立民が譲歩した格好だが、両党の合意内容には曖昧さも残っている。
「本気で政権を狙っていくためには、一致しておかなければならないという認識で詰めの協議を行った」。立民の本庄政調会長は19日の記者会見で、公明の岡本政調会長との基本政策に関する調整をこう振り返った。
立民は昨年の参院選公約などで、安全保障関連法について「違憲部分の廃止」を掲げてきたが、新党の基本政策では「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」と明記した。安倍内閣は2014年7月、集団的自衛権の行使を、限定容認する新たな政府見解を閣議決定するなどしており、岡本氏は記者会見で「閣議決定の撤廃を求めていく姿勢はない」と明言した。
立民の綱領にある「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」との文言は、中道改革の綱領や基本政策には盛り込まなかった。立民は原発再稼働は「地元合意がないままの再稼働は認めない」との立場だったが、地元の合意が得られた原発の再稼働を容認する公明と足並みをそろえた。
憲法については、立民は国民目線に立って憲法を議論する「論憲」の立場で、公明は「改憲勢力」と位置づけられてきた。基本政策では、「自衛隊の憲法上の位置づけなどの国会での議論を踏まえ、責任ある憲法改正論議を深化」させるとした。ただ、改憲の是非では、岡本氏が「必要であれば(改正を)やっていく」と前向きだったのに対し、本庄氏は「改正ありきの議論ではない」と慎重姿勢を示すなど温度差も見えた。
立民が基本政策の修正に応じたことに関し、公明幹部は「中道勢力の大きな塊を作りたいという思いを感じた」と評価した。一方、立民内では「リベラル色を消したことで、これまでの支持層を失うリスクもある」(中堅)と不安視する声も出ている。