【2・8総選挙「東京21~30区」は波乱の展開】前回無所属で議席を守った旧安倍派大幹部は「東京最多の公明党票」に苦戦か 中道がややリードの選挙区も

投開票日を目前に激しさを増す選挙戦。高市早苗・首相率いる自民党は、解散前の高い支持率を選挙結果に結びつけ、安定した政権基盤を築くことができるのか。連立を離脱した公明党支持者の動向が結果を左右すると見込まれる、総選挙の最新情勢を選挙区ごとに徹底分析するシリーズ「当落予測」。今回は東京21区から30区までを紹介する。
カギを握る「公明党票」の行方
今回の総選挙のカギを握るのは選挙区ごとに1万~3万票あるとされる「公明党票」の行方だ。
通算すれば四半世紀近く続いた自公連立政権時代は、自公の選挙協力によって公明党票が多くの小選挙区で自民党候補に上乗せされ、当選に大きく寄与してきた。
しかし、公明党の連立離脱で自公の選挙協力が解消され、さらに解散直前に公明党が立憲民主党と「中道改革連合」(中道)を結成したことで選挙の枠組みと状況がこれまでの選挙とは大きく変わった。その公明党前職は中道に合流後、小選挙区には候補を立てずに全候補が比例代表に回った。中道の小選挙区候補は立憲民主党出身候補と新人ばかりだ。
これまで自民を支えてきた公明党票がどのくらい自民候補に残るのか。これまで対立してきた立憲民主党出身の中道の候補に流れるのか、あるいは無党派層になっていくのか。それによって小選挙区の情勢は左右される。
その影響がとくに大きいのが自民、中道の対決を軸に、多くの政党が候補を立てた東京の30小選挙区だ。
では、東京の各選挙区に「公明党票」はどのくらいあるのか。
前回総選挙(2024年10月。投票率53.85%)の結果から、公明党の比例東京ブロックの得票を選挙区別に集計し、それぞれの選挙区に公明党票(比例代表票)がどのくらいあるかを分析した(関連記事参照)。それを見ると最も多い東京24区(八王子市)の3万1000票から、東京2区(中央区、台東区)の約1万1000票まで選挙区によってバラツキが大きく、公明党票の影響が大きい選挙区はどこかがわかりやすい。
そうした公明党票の動向を加味しながら、選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏に東京の各選挙区の最新情勢を分析してもらった。今回は21区から30区までを紹介する。
注目の24区は「公明党票」が東京最多
21区は前回裏金批判で落選した小田原潔氏が自民公認を得て再起をめざすが、公明党票が多い選挙区とあって中道新人の鈴木烈氏に苦戦。22区、23区はいずれも自民と中道が横一線。公明党票の上乗せが期待できる分、中道がわずかに優勢か。予断を許さない。
注目の24区は東京で最も公明党票が多い選挙区だ。高市首相側近で旧安倍派大幹部の萩生田光一・自民党幹事長代行が前回は無所属で出馬して大逆風を浴びながら議席を守ったが、今回はさらなる苦戦を強いられている。中道新人・細貝悠氏に公明党票の多くが流れれば厳しい。
25区は自民前職・井上信治氏が盤石の地盤で安泰。26区は無所属前職の松原仁氏、27区は中道前職の長妻昭氏が優勢、2人とも根強い個人票を持つ。28区と29区、30区も中道がややリードだが、高市支持票が伸びれば予断を許さない情勢だ。
関連記事『《2・8総選挙「首都決戦」の行方/東京30選挙区の最新当落予測》自民優勢とされるなかでも「現職閣僚」「旧安倍派大幹部」に落選危機 自民か中道か、カギを握る公明党票の動向』では、東京の30小選挙区の候補者一覧を掲載。それぞれの当選確率について、最新情勢を元に分析・評価している。