オウム・松本元死刑囚の遺骨、2審も国に引き渡し命令 次女が勝訴

2018年に死刑が執行されたオウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の次女が、元死刑囚の遺骨と遺髪の引き渡しを国に求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は5日、国に遺骨と遺髪の引き渡しを命じた1審・東京地裁判決(24年3月)を支持し、国側の控訴を棄却した。
18年7月に刑が執行された松本元死刑囚の遺体は火葬された。遺骨と遺髪は、オウム真理教の後継団体に渡れば公共の安全が脅かされる危険があるとの理由で国が保管した。国側が控訴したため、現在も国の保管が継続している。
1審判決は、国の危険性の主張には裏付けがなく、抽象的な可能性の域を出ないと指摘。次女は父の死を悼もうとしているとし、遺骨を引き渡すべきだと結論づけた。
これに対し、国側は控訴審で、次女が長期間にわたり、遺骨を後継団体に引き渡さないと誓約しなかったことを挙げ、後継団体に渡る危険性が十分あると主張。次女側は「後継団体と何ら関係はない。引き渡されれば厳重に保管し、父の死を静かに悼み、弔いたい」と反論していた。
元死刑囚の家族が元死刑囚の遺骨と遺髪の所有権を争った家事審判では、次女に所有権があるとする判断が21年7月に最高裁で確定。これを受けて次女が22年10月に引き渡しを求める訴訟を起こした。【安元久美子】