認知症の80代の男性に、マンションの所有権の一部をおよそ8倍の金額で購入させ、現金およそ2000万円をだましとったとして不動産販売会社の元社員の男が逮捕されました。男は、認知機能の低下した高齢者を狙い同様の犯行を繰り返す不動産詐欺グループの一員とみられています。
捜査関係者によりますと、準詐欺の疑いで逮捕された富塚健二容疑者(39)は2023年、仲間とともに、埼玉県にあるマンションの一室の、所有権の一部を千葉県に住む当時84歳の男性に購入価格のおよそ8倍の価格で購入させ、現金およそ2000万円あまりをだましとった疑いがもたれています。
準詐欺罪は、認知症などで判断力が弱くなっていることにつけ込み、財産をだましとった場合などに適用される罪です。
男性は認知症で、当時一人暮らしをしていて、警察は、富塚容疑者らが、男性の認知機能が低下していることにつけ込み、犯行に及んだとみて調べています。
富塚容疑者は調べに対し、黙秘しているということです。
今回の事件は、離れて暮らす男性の息子が、「父親の口座から身に覚えのない出金がある」と警察に相談したことで被害が発覚しました。
男性は通帳や印鑑、キャッシュカードなどを息子に預けていたということですが、捜査関係者などによりますと、富塚容疑者は、仲間とともに男性の自宅に上がり込んでインターネットバンキングの口座を開設させ、自分たちの口座に送金させたとみられています。
男性が購入させられた部屋には当時すでに住人がいましたが、男性は本来所有者が受け取るべき家賃や鍵を一切受け取っていなかったということです。
また、この部屋は、男性と、面識のない2人の高齢女性、あわせて3人の共同所有となっていて、警察は、この2人の女性についても男性と同様に富塚容疑者らに高額で契約させられた被害者とみています。
富塚容疑者は当時「N-Nine」という不動産販売会社の社員でしたが、捜査関係者によりますと、この会社は、社員が同様の準詐欺の疑いで2024年、警視庁に逮捕された不動産業者と実態がほぼ同一とみられています。
これらの業者は、複数の社名を使い、認知機能の低下した高齢者に高額で不動産を契約させる手口を繰り返す不動産詐欺グループとみられ、被害総額は2億円にのぼるとみられています。
警察は、富塚容疑者とともに犯行に関与した人間についても調べを進めています。