〈公明の票が自民に…〉武田良太・元総務相が復活した福岡11区 選挙戦中は地元の公明市議2人を招いて挨拶、中道候補は大差で落選 公明票の“興味深い動き”

高市旋風の強い追い風で返り咲いた自民党大物の1人が福岡11区の武田良太・元総務相だ。前回敗れた日本維新の会の村上智信氏(比例復活当選)との与党対決を制し、2万票近い差をつけて勝利した。武田氏の選挙戦のカギを握るとみられていたのが公明票だという。地元政界関係者が語る。
「武田さんは地元の公明党と関係が良かっただけに、公明党の連立離脱で自公の選挙協力が解消され、今回は厳しいとの見方があった。そのため武田さんは公明票のつなぎ止めに懸命だった。今回の選挙には、中道改革連合から立憲民主党の元市議が出馬したが、最終的には公明票がかなり武田さんに流れたのではないか」
実際、武田氏は選挙戦中の会合に地元の公明市議2人を招き、「公明党との今までの関係を大切にしながら戦ってまいりますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます」と挨拶するなど公明党への配慮を欠かさなかった。
武田氏の会合に出席した公明党市議は、投票日前の取材に対し、「(出席したのは)今までのお付き合いがあって、武田さんのほうから招待を受けたからです」と説明し、どの候補を応援するかとの問いには、「やっぱり中道ですよ」と語っていた。
フタを開けてみると中道候補は大差で落選。前回選挙と今回の得票を比べると興味深い現象が見て取れる。
前回総選挙の福岡11区の政党別比例代表得票は公明党が約2万3000票、選挙区に候補者を立てなかった立憲民主党も比例で約1万9000票を獲得した。
それに対して今回選挙での中道の比例票は約2万6000票。敗北の責任を取って辞任の意向を示している中道の野田佳彦・共同代表の言い方を借りるなら「1+1」が、ほぼ「1」にしかなっていない。
しかも、中道候補の選挙区の得票は約1万9000票で比例での中道の得票をさらに下回っている。もちろん、立憲のもともとの支持層が他に流れた可能性もあるとはいえ、「公明票がかなり武田さんに流れたのではないか」との地元の声が出るのもうなずけるデータと言えるのではないか。