高市首相は、米国とイスラエルによるイラン攻撃を巡り、難しい外交のかじ取りを迫られている。19日の日米首脳会談を前に、攻撃への法的な評価は避け、米国に配慮を見せている。ホルムズ海峡を航行するタンカーの護衛に関し、米国から支援を要請される可能性も取りざたされている。
首相は国会審議で、イラン攻撃が国際法に違反するかどうかを問われても、「しばらく時間をいただかないと、法的な評価ができるものではない」などと明確な答弁を避けている。
今回の攻撃は、国際法上の根拠が不十分との指摘があるものの、「仮に米国を批判するような発言をして日米関係が悪化すれば、中国やロシアを利することになる」(政府高官)との懸念があるためだ。
首相は6日に首相公邸で行ったカナダのカーニー首相との夕食会では、イランが周辺諸国の民間施設を攻撃していることや、ホルムズ海峡を封鎖していることに対しては「非難する」と明言した。両首脳は事態の早期沈静化に向け、意思疎通することも確認した。
エネルギーの安定供給や邦人保護での協力を求めるため、高市首相は中東諸国とも連携強化を進めている。12日には中東諸国の駐日大使と会談する予定だ。
一方、トランプ米大統領は、ホルムズ海峡を航行するタンカーの護衛を検討すると表明しており、日本政府内では「日米首脳会談で、トランプ氏から護衛への協力を迫られるのでは」との臆測も出ている。
日本政府は、安保関連法の国会審議では、ホルムズ海峡の機雷敷設などによる封鎖が、集団的自衛権の限定的な行使を可能とする「存立危機事態」になり得ると答弁してきたが、現状では「該当するといった判断は行っていない」(木原官房長官)。現時点では「米国が他国に協力を求めるかは見通せない」(外務省幹部)としており、米側の出方を見極める考えだ。